自動車学校の教習指導員とは?仕事内容・必要な資格・向いている人をわかりやすく解説
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自動車学校へ通ったことがある人なら、教習車の助手席に座り、運転の仕方を教えてくれた「教習指導員」を覚えているのではないでしょうか。
教習指導員と聞くと、
「運転が上手な人が先生になる仕事」
「助手席からブレーキやハンドル操作を教える仕事」
というイメージを持つ人も多いかもしれません。
しかし、教習指導員は、単に運転操作を教えるだけの仕事ではありません。
交通ルールや安全運転の知識を伝え、教習生の運転技術を見極め、危険があれば瞬時に対応する、責任の大きな専門職です。
さらに、公安委員会指定の自動車教習所で正式に教習を担当するには、法律に基づく資格が必要です。
今回は、自動車学校の教習指導員について、仕事内容から資格取得の流れ、向いている人、仕事の大変さ、キャリアアップまで、初心者にも分かりやすく解説します。
Contents
- 1 自動車学校の教習指導員とは?
- 2 「運転が上手」だけでは教習指導員になれない
- 3 教習指導員には資格が必要
- 4 「指定自動車教習所」とは?
- 5 教習指導員の主な仕事内容
- 6 教習指導員になるまでの流れ
- 7 資格審査では何を確認される?
- 8 資格は車種ごとに分かれている
- 9 教習指導員と技能検定員の違い
- 10 教習指導員の一日の流れ
- 11 勤務時間や休日はどうなる?
- 12 教習指導員の給与はどれくらい?
- 13 教習指導員の大変なところ
- 14 教習指導員のやりがい
- 15 教習指導員に向いている人
- 16 向いていない可能性がある人
- 17 教習指導員のキャリアアップ
- 18 求人へ応募する前に確認したいポイント
- 19 教習指導員についてのよくある質問
- 20 まとめ
自動車学校の教習指導員とは?
教習指導員とは、自動車学校やドライビングスクールなどで、運転免許の取得を目指す教習生に対し、安全運転に必要な技能や知識を教える人です。
正式には「自動車教習指導員」と呼ばれます。
教習生が運転する車の助手席に乗り、アクセルやブレーキ、ハンドル操作、安全確認の方法などを指導する「技能教習」が代表的な仕事です。
そのほか、教室で道路交通法や安全運転について教える「学科教習」、教習記録の作成、教習生への助言なども担当します。
厚生労働省の職業情報提供サイトでは、教習指導員について、法律に定められたカリキュラムに沿って、安全運転に必要な技能と知識を教える職業と説明されています。
教習指導員の目的は、教習生を免許試験に合格させることだけではありません。
免許を取得した後も、事故を起こさず、安全に運転できるドライバーを育てることが大きな役割です。
つまり、教習指導員は、
運転を教える先生であり、教習生の成長を支えるコーチであり、交通事故を防ぐ安全管理者
でもあるのです。
「運転が上手」だけでは教習指導員になれない
教習指導員になるには、運転技術だけでなく、交通ルールや指導方法、教育に関する知識も必要です。
自分では問題なく運転できても、その技術を初心者に分かりやすく説明できるとは限りません。
例えば、右折する場面で教習生から、
「どのタイミングでハンドルを切ればいいですか?」
と聞かれたとします。
教習指導員は、単に「ここで切ってください」と指示するだけではありません。
車の位置、交差点の形、対向車や歩行者の動き、安全確認の順番などを見ながら、なぜそのタイミングで操作する必要があるのかを説明します。
また、同じ説明でも、教習生によって理解しやすい言葉は異なります。
一度の説明ですぐに理解できる人もいれば、緊張して操作がうまくできない人、図や見本を見た方が理解しやすい人もいます。
そのため、教習指導員には、相手の理解度や性格に合わせて教え方を変える力が求められます。
教習指導員には資格が必要
公安委員会の指定を受けた自動車教習所で正式な教習を担当するためには、「教習指導員資格者証」が必要です。
この資格者証は、都道府県公安委員会が行う教習指導員資格審査に合格した人などに交付されます。
民間団体が独自に発行する資格ではなく、道路交通法などに基づく公的な資格です。
求人情報などでは「国家資格」と表現されることもありますが、より正確には、
法律に基づき、都道府県公安委員会が資格者証を交付する法定資格
と考えると分かりやすいでしょう。
資格を持っていない人が、指定自動車教習所でいきなり技能教習や学科教習を担当することはできません。
そのため、未経験者の場合は、まず「教習指導員候補生」や「教習指導員見習い」として自動車学校へ入社し、働きながら資格取得を目指すケースが一般的です。
「指定自動車教習所」とは?
自動車学校には、大きく分けて「指定自動車教習所」と「届出自動車教習所」があります。
指定自動車教習所
施設、教習コース、教習内容、指導員などが一定の基準を満たし、都道府県公安委員会から指定を受けている教習所です。
指定自動車教習所を卒業すると、運転免許試験場で受ける技能試験が免除されます。
一般的に「自動車学校」や「教習所」と聞いて、多くの人が思い浮かべるのはこちらです。
届出自動車教習所
公安委員会へ届出を行っているものの、「指定」は受けていない教習所です。
指定自動車教習所とは、教習の仕組みや卒業後の手続きなどが異なります。
厚生労働省のjob tagでも、自動車教習所には、公安委員会の指定を受けた指定自動車教習所と、指定を受けていない届出自動車教習所があると説明されています。
教習指導員の主な仕事内容
教習指導員の仕事は、教習車の助手席に乗ることだけではありません。
自動車学校によって担当範囲は異なりますが、主に次のような仕事があります。
技能教習
技能教習では、教習生が運転する教習車の助手席に乗り、原則として1対1で指導します。
教習所内のコースでは、次のような運転操作を教えます。
- 運転席の調整
- シートベルトの着用
- ミラーの合わせ方
- エンジンの始動
- 発進と停止
- アクセルとブレーキの操作
- ハンドル操作
- 進路変更
- 右左折
- 坂道発進
- S字・クランク
- 縦列駐車
- 方向変換
- 交差点の通行
- 安全確認の方法
仮免許を取得した後は、一般道路へ出て路上教習を行います。
路上教習では、実際の交通状況に対応しながら、安全に運転する力を身につけてもらいます。
歩行者や自転車への対応、車線変更、信号や標識の確認、駐車車両の追い越しなど、場内コースだけでは経験できない状況も指導します。
技能教習中は、教習生の運転操作を細かく観察し、危険があれば補助ブレーキなどを使用して事故を防ぎます。
教習が終わった後は、その時間にできたことや改善点を説明し、教習生が次の段階へ進める状態かを判断して記録します。
学科教習
学科教習では、教室やオンライン教材、映像などを使い、交通ルールや安全運転に必要な知識を教えます。
主な内容は次のとおりです。
- 運転者としての心得
- 信号や道路標識の意味
- 交差点の通行方法
- 歩行者や自転車の保護
- 駐車・停車のルール
- 速度や車間距離
- 危険予測
- 悪天候時の運転
- 高速道路での運転
- 交通事故が起きた場合の対応
- 自動車の構造や点検
- 応急救護処置
学科教習では、法律や教本の内容を読み上げるだけでは不十分です。
専門的な内容を初心者にも理解できる言葉へ置き換え、図や映像、実際の交通場面などを使って説明します。
応急救護の教習では、胸骨圧迫などの実技指導を担当することもあります。
教習生への助言・フォロー
教習生の中には、運転そのものに強い不安を感じている人もいます。
「何度練習しても発進がうまくできない」
「路上へ出るのが怖い」
「周囲の車が気になって焦ってしまう」
このような教習生に対して、改善点を伝えるだけでなく、気持ちを落ち着かせ、自信を持てるように支えることも教習指導員の仕事です。
注意が必要な場面では、危険性をはっきり伝えなければなりません。
一方で、必要以上に厳しく接すると、教習生が萎縮し、かえって安全な操作ができなくなる場合があります。
そのため、
「どこが危険だったのか」
「次は何を確認すればいいのか」
「できていた部分はどこか」
を整理し、相手が次の行動に移せるように伝えることが重要です。
高齢者講習や企業向け講習
自動車学校では、免許を初めて取得する人への教習以外にも、さまざまな講習を行っています。
例えば、次のようなものがあります。
- 高齢者講習
- ペーパードライバー講習
- 初心運転者向けの講習
- 取消処分者向けの講習
- 企業向け安全運転講習
- 地域や学校での交通安全教室
- 運転適性診断
- 認知機能検査に関する業務
実際にどの講習を担当できるかは、本人の資格や経験、自動車学校の業務内容によって異なります。
教習指導員は、免許取得を目指す若い人だけでなく、幅広い年代の運転者と関わる仕事です。
教習以外の業務
自動車学校の規模や運営体制によっては、教習以外の仕事も担当します。
例えば、次のような業務です。
- 教習原簿や記録の作成
- 教習スケジュールの管理
- 教習生の送迎
- 教習車の点検・給油・清掃
- 教習コースの清掃や管理
- 受付や入校案内
- 効果測定の採点
- イベントへの参加
- 学校や企業への案内
- 入校者を増やすための営業活動
「教習指導員なのに営業もするの?」と驚くかもしれませんが、自動車学校によっては、学校説明会への参加や企業・学校への案内を担当することもあります。
教習だけに専念する職場もあれば、送迎、事務、営業などを職員同士で分担する職場もあります。
教習指導員になるまでの流れ
未経験から教習指導員になる場合は、一般的に次のような流れで資格取得を目指します。
STEP1.自動車学校へ応募する
まずは、自動車学校が募集している「教習指導員候補生」「指導員見習い」などの求人へ応募します。
資格取得後の教習指導員を募集する求人とは、応募条件や仕事内容が異なるため注意しましょう。
候補生求人では、普通自動車運転免許の保有を応募条件としているケースが多く見られます。
AT限定免許で応募できるか、入社後に限定解除が必要かなどは、自動車学校によって異なります。
STEP2.候補生として勤務する
資格を取得するまでは、正式な教習指導員として単独で教習を担当できません。
そのため、候補生期間中は、資格審査に向けた勉強や運転練習をしながら、次のような業務を担当することがあります。
- 教習生の送迎
- 教習車の清掃
- 車両やコースの点検
- 受付・事務の補助
- 教習原簿の整理
- 先輩指導員の教習見学
- 模擬学科教習
- 指導方法の練習
- 法令や教則の学習
- 運転技能の練習
候補生期間中の仕事内容、給与、勉強時間の扱いは、自動車学校によって異なります。
求人へ応募するときは、「資格取得支援あり」という言葉だけで判断せず、支援内容まで確認することが大切です。
STEP3.事前教養や講習を受ける
教習所へ採用された後は、現場事前教養や職員講習を受ける、または所定の研修課程を修了し、資格審査に備えます。
ここでは、運転技術だけでなく、交通法令、自動車教習所に関する制度、教育方法、教習生への指導方法などを学びます。
STEP4.教習指導員資格審査を受ける
都道府県公安委員会が行う「教習指導員資格審査」を受けます。
資格審査を受けられるのは、原則として満21歳以上です。
また、取得を目指す資格の車種に応じた運転免許が必要です。
STEP5.資格者証の交付を受ける
資格審査に合格すると、教習指導員資格者証の交付を申請できます。
その後、現場事後教養などを受け、自動車学校で教習指導員としての業務を始めます。
資格審査では何を確認される?
教習指導員の資格審査では、大きく分けて「技能」と「知識」が確認されます。
主な審査内容には、次のようなものがあります。
運転技能
教習指導員として必要な、安全で正確な運転ができるかを確認します。
ただ走れるだけではなく、教習生に手本として見せられる運転が求められます。
技能教習の指導方法
教習生の運転を観察し、問題点を見つけ、どのように改善すればよいかを説明する力が確認されます。
学科教習の指導方法
交通ルールや安全運転について、初心者にも分かりやすく教えられるかを確認します。
運転に関する知識
道路交通法、運転者の心得、安全運転、自動車の構造などに関する知識が必要です。
自動車教習所に関する法令
指定自動車教習所の制度、教習の進め方、教習記録など、教習所運営に関係する法令やルールを学びます。
教育に関する知識
教習生の理解度に合わせた教え方、説明方法、評価方法など、指導員として必要な教育知識も審査対象です。
警察庁の資料でも、教習指導員の審査内容として、運転技能、技能教習・学科教習の技能、運転に関する知識、教習所関係法令、教育に関する知識などが示されています。
つまり、
自分が安全に運転できることと、人へ安全運転を教えられることは別の能力
なのです。
資格は車種ごとに分かれている
教習指導員資格は、一つ取得すればすべての車種を教えられる資格ではありません。
普通車、準中型車、中型車、大型車、二輪車、大型特殊車、第二種免許など、担当する免許の種類に応じた資格が必要です。
例えば、普通自動車の教習指導員資格を持っている人が、その資格だけで大型自動車や大型二輪の教習を担当することはできません。
最初に普通車の資格を取得し、経験を積んだ後に、二輪、中型、大型などの資格を追加していくケースもあります。
担当できる車種が増えると、仕事の幅が広がり、勤務先によっては資格手当や昇給につながることもあります。
教習指導員と技能検定員の違い
教習指導員と混同されやすい職種に「技能検定員」があります。
両者の違いは、教える人なのか、合否を判定する人なのかという点です。
| 教習指導員 | 技能検定員 |
|---|---|
| 運転技術や交通ルールを教える | 修了検定や卒業検定を実施する |
| 教習生の成長を支える | 基準に沿って運転技能を判定する |
| 改善点を説明し、練習を支援する | 公平に採点し、合否を判断する |
| 教習を担当するための資格 | 経験を積んだ後に目指す上位資格の一つ |
技能検定員になるには、教習指導員として経験を積み、公安委員会が行う技能検定員資格審査に合格する必要があります。
すべての教習指導員が、卒業検定や修了検定の検定員になれるわけではありません。
厚生労働省のjob tagによると、2024年時点で、教習指導員のうち技能検定員資格を持つ人は約6割とされています。
教習指導員の一日の流れ
勤務先や担当業務によって異なりますが、一日の流れの一例を紹介します。
8:30 出勤・朝礼
当日の教習予定や連絡事項を確認します。
教習車に異常がないか、タイヤ、ランプ、ミラー、補助ブレーキなどを確認し、必要に応じて車内を清掃します。
9:00 技能教習
教習所内のコースで技能教習を行います。
教習終了後は、教習生へ良かった点と改善点を伝え、教習結果を記録します。
10:00 路上教習
仮免許を取得した教習生と一般道路へ出ます。
道路状況、歩行者、自転車、対向車などを確認しながら、安全運転を指導します。
12:00 休憩
午前中の教習記録を確認し、午後の予定を準備します。
13:00 学科教習
教室で交通ルールや危険予測について説明します。
映像や事故事例を使いながら、初心者にも理解できるように教えます。
14:00 技能教習・高齢者講習など
技能教習のほか、高齢者講習、企業向け講習、運転適性診断などを担当する場合があります。
17:00 記録・車両管理
教習記録を整理し、翌日の教習予定を確認します。
教習車の給油、点検、清掃などを行うこともあります。
18:00 退勤
夜間教習を行っている自動車学校では、時差出勤や交替勤務になる場合があります。
勤務時間や休日はどうなる?
自動車学校は、学生や会社員などが通いやすい時間帯に教習を行います。
そのため、勤務先によっては、次のような働き方があります。
- 土曜・日曜・祝日の勤務
- 早朝教習
- 夜間教習
- 時差出勤
- 交替勤務
- 繁忙期の勤務時間変更
特に、学生が春休みに入る時期や、就職・進学前に免許取得を目指す人が増える時期は、教習予約が集中しやすくなります。
一方で、平日休みを取得できる、混雑を避けて用事を済ませやすいといったメリットを感じる人もいます。
job tagでも、土日、早朝、夜間に教習を行う自動車学校があり、時差出勤や交替勤務になる場合があると説明されています。
求人を見る際は、「週休2日制」という表記だけでなく、次の点も確認しましょう。
- 固定休はあるか
- 土日休みは取得できるか
- 年間休日は何日か
- 繁忙期に休日が変わるか
- 夜間教習はあるか
- 最終教習の終了時間は何時か
- 残業はどの程度あるか
教習指導員の給与はどれくらい?
教習指導員の給与は、地域、自動車学校の規模、経験、保有資格、担当できる車種によって異なります。
厚生労働省のjob tagに掲載されているハローワーク求人統計では、全国の求人賃金は令和6年度で月額24.6万円、2026年3月時点では月額25.9万円となっています。
ただし、この数値は全国の統計上の目安であり、個別の自動車学校の給与を示すものではありません。
求人では、基本給だけでなく、次のような手当も確認しましょう。
- 教習指導員資格手当
- 車種別資格手当
- 技能検定員手当
- 乗車手当
- 時間外手当
- 繁忙期手当
- 役職手当
- 家族手当
- 通勤手当
候補生として入社する場合は、資格取得前と取得後で給与が変わることもあります。
教習指導員の大変なところ
常に事故の危険を予測しなければならない
教習車を運転するのは、まだ免許を持っていない人や、運転経験が少ない人です。
急発進、ブレーキの踏み間違い、信号の見落とし、ハンドル操作の遅れなど、予想外の動きが起こる可能性があります。
教習指導員は、教習生へ説明しながら、車の周囲や交通状況を監視し、必要な場合は瞬時に補助ブレーキを使用しなければなりません。
教習生によって教え方を変える必要がある
一度で理解できる人もいれば、同じ操作を何度も練習する必要がある人もいます。
教習指導員には、教習生を責めるのではなく、なぜうまくできないのかを考え、伝え方を工夫する姿勢が必要です。
厳しさと優しさの両方が必要
危険な運転をした場合は、曖昧にせず、はっきり指摘する必要があります。
しかし、怒ったり威圧したりするだけでは、教習生の成長にはつながりません。
相手の気持ちに配慮しながら、安全に関わる大切な内容を正確に伝える必要があります。
公平に評価しなければならない
「一生懸命だから次へ進めてあげたい」と思っても、安全に運転できる状態でなければ、教習を先へ進めることはできません。
教習生の性格や印象ではなく、一定の基準に沿って冷静に判断する必要があります。
継続して勉強が必要
交通ルールや教習制度は、法改正などによって変更されることがあります。
資格を取得した後も、講習や研修を受け、新しい知識を身につけ続けることが求められます。
教習指導員のやりがい
教習指導員の大きなやりがいは、教習生の成長を間近で見られることです。
最初はエンジンをかけるだけで緊張していた人が、少しずつ周囲を確認しながら安全に運転できるようになる。
路上教習を怖がっていた人が、自信を持って運転できるようになる。
そして卒業するときに、
「先生のおかげで運転できるようになりました」
「最初は怖かったけど、運転が楽しくなりました」
と言ってもらえることもあります。
教習指導員が教えた安全確認や危険予測は、教習生が免許を取得した後も役立ちます。
自分の指導が、その人や家族、地域の人の安全につながる仕事です。
免許を取らせるだけではなく、安全に家へ帰れるドライバーを育てる。
それが、教習指導員の大切な役割です。
教習指導員に向いている人
次のような人は、教習指導員の仕事に向いている可能性があります。
人に教えることが好きな人
相手ができなかったことをできるようになったとき、自分のことのように喜べる人に向いています。
相手の話を聞ける人
教習生が何に困っているのか、どこに不安を感じているのかを理解するには、話を聞く力が必要です。
分かりやすく説明できる人
専門用語を並べるのではなく、初心者にも理解できる言葉へ置き換える力が求められます。
冷静に対応できる人
危険な場面でも慌てず、状況を判断して対応できることが大切です。
根気強く向き合える人
同じ内容を何度説明しても、イライラせず、相手のペースに合わせて指導できる人に向いています。
ルールや確認を大切にできる人
教習は法律や基準に沿って行われます。
自分なりの感覚だけで判断せず、決められた手順や基準を守れることが重要です。
job tagの職業能力情報でも、教習指導員には、指導力だけでなく、傾聴力、説明力、他者の反応を理解する力などが求められることが示されています。
向いていない可能性がある人
次のような考え方を持っている場合は、仕事との相性を慎重に考えた方がよいでしょう。
- 運転が上手なら教えられると思っている
- 初心者のミスにすぐイライラする
- 人と話さず、一人で運転する仕事がしたい
- 同じ説明を繰り返すことが苦手
- 記録や確認作業を面倒に感じる
- 交通ルールより自分の運転感覚を優先する
- 危険な行動を注意するのが苦手
- 土日や夕方以降の勤務が難しい
教習指導員は、車が好きなことだけで続けられる仕事ではありません。
運転すること以上に、人を育てることや、安全を守ることに関心を持てるかが重要です。
教習指導員のキャリアアップ
教習指導員として経験を積んだ後は、さまざまなキャリアを目指せます。
一般的には、次のような流れがあります。
教習指導員候補生
↓
普通車の教習指導員
↓
二輪・準中型・中型・大型などの車種追加
↓
技能検定員
↓
高齢者講習・企業向け講習などの担当
↓
班長・副管理者・管理者
担当できる車種や講習が増えることで、仕事の幅が広がります。
技能検定員になれば、教習生へ教えるだけでなく、修了検定や卒業検定を担当することも可能になります。
また、後輩指導員の育成、教習計画の管理、自動車学校全体の運営に関わる道もあります。
求人へ応募する前に確認したいポイント
教習指導員の求人を見るときは、「有資格者募集」なのか「候補生募集」なのかを最初に確認しましょう。
候補生求人で確認したいこと
- 資格取得までの仕事内容
- 応募できる年齢
- AT限定免許でも応募できるか
- 限定解除の費用は誰が負担するか
- 資格取得費用は会社負担か
- 受験料や教材費も対象になるか
- 勉強や運転練習は勤務時間内か
- 資格取得までの想定期間
- 不合格だった場合に再受験できるか
- 取得前と取得後の給与
- 資格取得後の雇用条件
有資格者求人で確認したいこと
- 必要な教習指導員資格の車種
- 技能検定員資格が必要か
- 担当する教習や講習
- 高齢者講習の担当有無
- 教習以外の業務
- 送迎や営業業務の有無
- 夜間教習の有無
- 土日勤務の頻度
- 乗車手当や資格手当
- 車種追加資格の取得支援
「資格取得支援あり」と書かれていても、支援される範囲は職場によって異なります。
費用だけでなく、勉強時間や再受験時の扱いまで確認すると、入社後の認識違いを防ぎやすくなります。
教習指導員についてのよくある質問
未経験でも教習指導員になれますか?
未経験から目指すことは可能です。
自動車学校へ候補生として入社し、働きながら教習指導員資格の取得を目指す方法があります。
ただし、資格審査に合格するまでは、正式な教習指導員として教習を担当できません。
学歴は必要ですか?
教習指導員になるために、特定の学歴は原則として必要とされていません。
ただし、自動車学校ごとに高卒以上などの応募条件を設けている場合があります。
20歳でも教習指導員になれますか?
教習指導員資格審査を受けられるのは、原則として満21歳以上です。
21歳になる前に候補生として採用されるかどうかは、自動車学校の募集条件によって異なります。
普通免許があれば、すべての教習を担当できますか?
担当する車種に応じた教習指導員資格が必要です。
普通車の教習指導員資格だけで、大型車や二輪車など、すべての教習を担当できるわけではありません。
AT限定免許でも応募できますか?
応募できるかどうかは、自動車学校によって異なります。
応募時点ではAT限定可としていても、資格取得までに限定解除を求められる場合があります。
求人票だけで判断できない場合は、応募前に確認しましょう。
運転が得意なら向いていますか?
運転が得意なことは強みになりますが、それだけで教習指導員に向いているとは限りません。
相手の話を聞く力、分かりやすく説明する力、危険を予測する力、感情的にならず指導する力も必要です。
教習指導員が卒業検定も担当しますか?
卒業検定や修了検定を担当するには、教習指導員資格とは別に、技能検定員資格が必要です。
すべての教習指導員が検定を担当できるわけではありません。
まとめ
自動車学校の教習指導員は、運転の仕方を教えるだけの仕事ではありません。
交通ルールや安全運転の知識を伝え、教習生の運転を観察し、危険を防ぎながら、一人ひとりの成長を支える専門職です。
公安委員会指定の自動車教習所で正式な教習を担当するには、教習指導員資格者証が必要です。
未経験からでも、自動車学校へ候補生として入社し、働きながら資格取得を目指せる場合があります。
教習指導員に求められるのは、運転技術だけではありません。
- 人に教える力
- 相手の話を聞く力
- 危険を予測する力
- 冷静に判断する力
- 根気強く成長を支える力
なども必要です。
教習生が免許を取得した後も安全に運転できるよう、正しい知識と技能を身につけてもらう。
教習指導員は、運転を通して人を育て、地域の交通安全を支える仕事です。
※資格制度や審査方法、応募条件、取得支援の内容は、都道府県や勤務先によって異なる場合があります。実際に応募する際は、募集している自動車学校や各都道府県警察などの案内をご確認ください。