求人情報を見ていると、

「設計士」
「設計スタッフ」
「設計技術者」
「設計補助」

といった職種名を目にすることがあります。

しかし、「設計士」と聞いても、

「どんなものを設計する仕事なの?」
「建築士とは何が違うの?」
「一日中、図面を描いているの?」
「資格がなくても働ける?」
「未経験からでも目指せるの?」

と疑問に感じる方も多いのではないでしょうか。

設計士は、建物や設備、道路、機械、製品などをつくるために、形・大きさ・材料・機能・安全性などを考え、図面やデータにまとめる仕事です。

この記事では、設計士の仕事内容や主な種類、必要な資格、向いている人、未経験から目指す方法について、初心者にもわかりやすく解説します。


設計士とは?

設計士とは、建物や設備、機械、製品などをつくるための計画を立て、図面やデータにまとめる人のことです。

簡単にいうと、

「まだ形になっていないものを、実際につくれるように考える人」

です。

設計をするときは、見た目だけでなく、

・安全に使用できるか
・使いやすいか
・必要な機能を備えているか
・予算内でつくれるか
・法律や基準に合っているか
・メンテナンスしやすいか

など、さまざまな条件を考える必要があります。

そのため、設計士は「自由にアイデアを描く仕事」というよりも、希望や条件を整理し、実際につくれる形へまとめていく仕事といえます。


「設計士」は資格の名前?

「設計士」という言葉は、設計の仕事をする人を幅広く表す呼び方です。

設計士という名称そのものに、すべての分野で共通する国家資格があるわけではありません。

そのため、求人情報では、

・建築設計
・設備設計
・土木設計
・機械設計
・電気設計
・製品設計
・設計補助

など、さまざまな仕事が「設計士」や「設計スタッフ」として募集されています。

ただし、建築分野では、一定の建物の設計や工事監理を行うために、一級建築士や二級建築士などの資格が必要です。

求人を見るときは、「設計士」という職種名だけで判断せず、何を設計する仕事なのか、資格が必要なのかを確認することが大切です。


設計士の主な仕事内容

設計士の仕事内容は、担当する分野や会社によって異なります。

ここでは、多くの設計職に共通する基本的な仕事を紹介します。

お客様や担当者との打ち合わせ

まずは、お客様や社内の担当者から、つくりたいものについての希望を聞きます。

たとえば建物であれば、

「どのような目的で使用するのか」
「何人くらいが利用するのか」
「どのような間取りにしたいのか」
「予算はいくらか」
「いつまでに完成させたいのか」

などを確認します。

機械や製品の場合も、必要な性能、大きさ、使い方、製造コストなどを聞き取り、設計の条件を整理します。

現地調査や資料の確認

建物や道路、設備などを設計する場合は、実際に現地へ行って状況を確認することがあります。

土地の広さや形、周辺環境、既存設備の位置などを調べ、設計に必要な情報を集めます。

既存の図面や測量データ、法令、仕様書などの資料を確認することも大切な仕事です。

計画を立てる

集めた情報をもとに、どのような形や仕組みにするかを考えます。

使いやすさ、安全性、耐久性、費用、工期などを比較しながら、条件に合った計画を立てていきます。

設計士には、理想的な形を考える力だけでなく、予算や技術面を踏まえて実現可能な方法を考える力も必要です。

CADなどを使って図面を作成する

設計内容が決まったら、工事や製造に必要な図面を作成します。

現在は、CADと呼ばれる設計・製図用のソフトを使って図面を作成することが一般的です。

最近では、立体的なデータを作成できる3次元CADや、建物の情報をまとめて管理するBIMなどを使用する会社もあります。

計算や安全性の確認

設計するものによっては、強度、重さ、電気容量、空調能力、使用する材料などを計算します。

「安全に使用できるか」
「必要な性能を満たしているか」
「法律や基準に合っているか」

といった点を細かく確認します。

関係者との調整

設計したものを形にするためには、施工スタッフ、製造スタッフ、営業担当、行政機関、協力会社など、多くの人との連携が必要です。

図面の内容を説明したり、現場からの質問に答えたり、必要に応じて設計を修正したりします。

設計士は、パソコンに向かって図面を描くだけでなく、人と話しながら仕事を進める機会も多い職種です。


設計士にはどんな種類がある?

設計士と呼ばれる仕事には、さまざまな分野があります。

建築設計

住宅、マンション、店舗、学校、病院、公共施設などの建物を設計します。

間取りや外観を考える意匠設計、建物の強度を考える構造設計、電気や空調などを考える設備設計など、さらに細かく分かれることもあります。

一定の建築物の設計や工事監理を行うには、建築士の資格が必要です。

設備設計

建物の中で使用する電気、空調、換気、給排水、消防設備などを設計します。

建物を安全で快適に使用するために欠かせない仕事です。

設計する設備によって、電気や機械、建築に関する知識が求められます。

土木設計

道路、橋、トンネル、河川、上下水道など、暮らしを支える社会基盤を設計します。

地形や地盤、交通量、災害への強さ、周辺環境などを考えながら計画を立てます。

官公庁や建設コンサルタント会社、建設会社などで活躍する仕事です。

機械設計

自動車部品、工場設備、産業用機械、家電製品などの機械や部品を設計します。

機械の動きや強度、材料、製造方法、安全性などを考え、CADを使って図面や立体データを作成します。

電気設計

建物や工場の電気設備、制御盤、電子機器、配線などを設計します。

どこに、どのような電気設備を設置するかを考え、安全に電気を使用できるよう図面や回路を作成します。

製品設計

家具、家電、日用品、容器など、身近な製品の形や機能を設計します。

使いやすさ、見た目、安全性、製造コストなどを考えながら商品を形にしていく仕事です。


設計士と建築士の違いは?

設計士と建築士は、同じ意味のように使われることがありますが、正確には異なります。

設計士は、設計の仕事をする人を幅広く表す呼び方です。

一方、建築士は、建築士法に基づく国家資格を取得し、免許登録をした人を指します。

建築士には、主に次の3種類があります。

・一級建築士
・二級建築士
・木造建築士

資格によって、設計や工事監理ができる建物の規模や構造などが異なります。

建築関係の求人で「設計士」と書かれていても、建築士資格が必須の場合と、設計補助として資格なしで応募できる場合があります。

応募前に、必須資格や仕事内容をよく確認しましょう。


設計士は一日中、図面を描く仕事?

設計士は図面を作成する仕事ですが、一日中ずっと図面だけを描いているとは限りません。

実際には、

・お客様との打ち合わせ
・現地調査
・資料や法令の確認
・設計内容の検討
・計算や見積もり
・社内会議
・施工担当者との調整
・図面の修正
・完成後の確認

など、さまざまな業務を行います。

会社や担当する案件によっては、現場へ足を運ぶ機会が多い場合もあります。

「デスクワークが中心だと思って入社したら、外出や打ち合わせも多かった」ということがないように、求人情報で業務内容を確認しておくと安心です。


設計士に必要な資格は?

必要な資格は、設計する分野や担当業務によって異なります。

設計職すべてに共通して、必ず取得しなければならない資格があるわけではありません。

資格なしで応募できる設計補助やCADオペレーターの求人もあります。

一方、分野によっては、次のような資格が仕事に役立ちます。

建築・設備分野

・一級建築士
・二級建築士
・木造建築士
・建築設備士
・電気工事施工管理技士
・管工事施工管理技士

土木分野

・技術士
・RCCM
・土木施工管理技士
・測量士
・測量士補

機械・電気分野

・機械設計技術者試験
・CAD利用技術者試験
・電気主任技術者
・電気工事士

資格が必須ではない求人でも、取得することで担当できる業務が増えたり、資格手当や昇給につながったりする場合があります。


設計士に向いている人

設計士に向いているのは、次のような人です。

ものづくりが好きな人

設計士は、頭の中で考えたものを図面やデータにし、実際の建物や製品へとつなげる仕事です。

ものが完成していく過程を見ることが好きな人や、自分が関わったものを形として残したい人に向いています。

細かい確認ができる人

設計図では、寸法や数字、材料、設備の位置などを細かく確認します。

小さな間違いが、工事や製造のやり直しにつながることもあります。

丁寧に確認しながら、正確に仕事を進められる人に向いています。

考えることが好きな人

設計では、ひとつの条件だけでなく、安全性、使いやすさ、費用、見た目、工期などを総合的に考えます。

問題が起きたときに、「どうすれば実現できるか」を考えることが好きな人は、力を発揮しやすいでしょう。

人の話を聞ける人

設計士は、自分の好きなものを自由につくる仕事ではありません。

お客様や利用者が求めていることを理解し、設計に反映する必要があります。

相手の話を丁寧に聞き、希望を整理できる人に向いています。

コツコツ学び続けられる人

設計に関する技術、法律、材料、ソフトウェアなどは、少しずつ変化していきます。

新しい知識や技術を学び続けられる人は、設計士として長く成長できます。


設計士のやりがい

設計士の大きなやりがいは、自分が考えたものが実際の形になることです。

建物、道路、機械、製品などが完成し、多くの人に使われている様子を見たときには、大きな達成感を感じられます。

また、設計士の仕事は、人々の暮らしや仕事を支えることにもつながります。

たとえば、

・暮らしやすい住宅を設計する
・安全に通行できる道路や橋を設計する
・快適に過ごせる空調設備を設計する
・作業を効率化する機械を設計する
・使いやすい製品を設計する

など、担当する分野によってさまざまな形で役立つことができます。

経験を積むほど専門知識が身につき、より大きな仕事や難しい設計を担当できるようになることも魅力です。


設計士の仕事で大変なこと

設計士はやりがいのある仕事ですが、大変な面もあります。

たとえば、

・細かい確認が多い
・納期に合わせて仕事を進める必要がある
・設計変更への対応が必要になる
・法律や専門知識を学び続ける必要がある
・関係者との調整が多い
・安全性に関わる責任がある

などです。

お客様の希望をすべて取り入れようとしても、予算や法律、技術上の理由から難しいこともあります。

その場合は、できない理由を説明したうえで、代わりの方法を提案する力が求められます。


未経験から設計士を目指せる?

未経験からでも、設計の仕事を目指すことは可能です。

ただし、最初からすべての設計を一人で担当するのではなく、

・設計補助
・CADオペレーター
・図面の修正
・資料作成
・データ入力
・現地調査の補助
・先輩設計士のアシスタント

などから始めるケースが一般的です。

仕事を通じて図面の見方やCADの操作、材料、法律、設計の考え方などを少しずつ学んでいきます。

学校で建築、土木、機械、電気などを学んでいると知識を活かしやすいですが、会社によっては未経験者を採用し、入社後に育成することもあります。


未経験者が求人を見るときのポイント

未経験から設計職へ挑戦する場合は、次の項目を確認しましょう。

未経験でも応募できるか

「未経験OK」「設計補助からスタート」「経験不問」などの記載があるか確認します。

「設計経験必須」「実務経験3年以上」などと書かれている場合は、経験者向けの求人です。

資格は必須か

建築士などの資格が必須なのか、持っていれば活かせる条件なのかを確認しましょう。

「資格必須」と「資格保有者は優遇」では、応募条件が異なります。

CADを使用するか

求人情報に、使用するCADソフトが書かれていることがあります。

未経験の場合は、入社後に操作方法を教えてもらえるか、研修があるかも確認すると安心です。

教育・研修制度があるか

先輩社員による指導、社内研修、資格取得支援などがある会社は、未経験者でも仕事を覚えやすい傾向があります。

何を設計する仕事なのか

同じ「設計士」という職種名でも、住宅、設備、道路、機械など、設計するものは大きく異なります。

仕事内容だけでなく、会社が扱っている商品や工事、主な取引先なども確認しましょう。


設計士を目指すために今からできること

設計の仕事に興味がある場合は、まず自分が何を設計したいのか考えてみましょう。

建物に興味があるのか、道路や橋などのまちづくりに関わりたいのか、機械や製品をつくりたいのかによって、必要な知識が変わります。

初心者が始めやすい取り組みには、

・設計職の求人を見比べる
・建築、土木、機械、電気の違いを調べる
・CADの基本操作を学ぶ
・興味のある分野の資格を調べる
・未経験OKの設計補助求人を探す
・職場見学ができる会社を探す

などがあります。

最初からすべてを理解する必要はありません。

興味のある分野を見つけ、補助業務から少しずつ経験を積むことが、設計士への第一歩になります。


まとめ

設計士は、建物や設備、道路、機械、製品などをつくるために、形や機能、安全性、使いやすさなどを考え、図面やデータにまとめる仕事です。

設計士という言葉は幅広く使われており、建築設計、設備設計、土木設計、機械設計、電気設計など、さまざまな分野があります。

また、設計士と建築士は同じではありません。

建築士は国家資格ですが、設計士は設計の仕事をする人を幅広く表す呼び方です。

資格や経験が必要な求人もありますが、設計補助やCADオペレーターなど、未経験から始められる仕事もあります。

「ものづくりが好き」
「考えたものを形にしたい」
「専門的なスキルを身につけたい」
「長く活かせる技術を学びたい」

という方にとって、設計士は将来の選択肢のひとつになる仕事です。

沖縄で設計に関わる仕事を探している方は、職種名だけでなく、設計するもの、必要な資格、教育体制、使用するCADソフトなども確認し、自分に合った求人を探してみましょう。